うつ病・双極性障害
うつ病・双極性障害

うつ病と双極性障害は、いずれも「気分障害」に分類されるこころの病気で、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。
うつ病は、気分が著しく落ち込み、何をしても楽しめない状態が続く病気です。不眠や食欲不振、疲れやすさ、集中力の低下などの身体症状も伴い、仕事や家庭での役割を果たすことが困難になります。精神的・身体的ストレスを背景に、脳の働きにバランスの乱れが生じ、ものの見方や考え方が否定的になることが特徴です。
双極性障害は、「躁(そう)状態」と「うつ状態」が周期的に繰り返される病気です。躁状態では、異常なほど気分が高揚し、活動的になる一方で、浪費や攻撃的な言動、過剰な自信などが見られ、本人や周囲が困惑することもあります。一見するとエネルギッシュに見えますが、その後に強い抑うつ状態へと移行することが多く、社会生活に大きな影響を及ぼします。
うつ病や双極性障害の発症には、単一の原因ではなく、複数の要因が相互に影響し合いながら関与していると考えられています。
セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質のバランスが乱れると、気分や感情のコントロールが難しくなり、情緒が不安定になることがあります。
家族や親族にうつ病や双極性障害を経験した人がいる場合、ご本人も発症するリスクが高まることが分かっています。
仕事や家庭での困難、人間関係の摩擦、大切な人との別れ、病気や出産など、生活の中で起こるさまざまな出来事が心に大きな負荷を与え、発症のきっかけとなることがあります。
甲状腺機能の異常やホルモンバランスの乱れ、または一部の薬剤(高血圧薬、ステロイド、睡眠薬、向精神薬など)の影響によって、気分障害を引き起こすことがあります。
うつ病では、精神的にも身体的にもさまざまな症状が現れます。たとえば、一日中気分が沈んでいたり、何をしても楽しめなかったりすることがあります。また、慢性的な疲労感や倦怠感に悩まされるほか、集中力や判断力の低下がみられることも少なくありません。睡眠にも影響が出やすく、不眠や逆に寝すぎてしまう過眠の症状が出る場合もあります。さらに、食欲が低下する一方で過食に走ってしまう方もおられます。自分を責める気持ちが強くなり、「いなくなりたい」「死にたい」といった希死念慮が現れることもあります。
双極性障害の症状は、大きく「躁状態」と「うつ状態」の2つに分かれます。
躁状態では、本人に強い自信が現れ、睡眠をとらなくても元気に活動できるようになります。話し続けたり、多弁になったり、じっとしていられないほど活発に動き回ることが増えます。買い物での浪費や計画性のない行動、周囲に対して攻撃的な態度をとることも見受けられ、本人も周囲も困惑することがあります。
一方、うつ状態では、うつ病と同じように気分が沈み、何をしても楽しめない、集中力の低下、疲れやすさ、不眠などの症状が現れます。
うつ病や双極性障害は、主に医師による問診や心理評価によって診断されます。患者さんの話を丁寧に聞き、過去のエピソードや現在の症状の持続期間、重症度、日常生活への影響などを把握することが重要です。
双極性障害の診断では、「過去に躁状態があったかどうか」が特に大切なポイントです。うつ症状だけをみて「うつ病」と診断されてしまうこともあるため、初診時に正確な診断を行うことが治療において非常に重要です。
必要に応じて、連携する医療機関で検査をご案内することがあります。
うつ病や双極性障害の治療では、中心となるのが薬物療法と精神療法(カウンセリング)です。加えて、患者さんの生活環境や習慣に配慮したサポートも重要であり、必要に応じて環境調整やライフスタイルの見直しが治療に取り入れられます。
うつ病や双極性障害は、決して「心が弱いから」「気の持ちよう」で片づけられるものではありません。脳の働きに関係する「病気」であり、誰でもかかる可能性があります。
症状を抱えたまま我慢し続けることは、心身に大きな負担をかけ、悪化の原因となることもあります。気になる症状がある場合は、早めに専門の医療機関を受診し、自分の状態を把握することが大切です。
当院では、心と身体の両面から丁寧に症状を伺い、患者さん一人ひとりに合った治療を提案しております。ひとりで抱え込まず、まずはお気軽にご相談ください。
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